Perfume「GAME」に見る新古典主義。

Perfumeの2ndアルバム「GAME」がオリコンデイリーランキングで1位になるなど、ヒット中っす。
ユニット名、アルバム名もシンプルそのものだが、サウンド自体もシンプルそのもの。
そのシンプルさの中には音楽や時代の最先端を行くぞ!というロマン主義的は方向性ではなく、アイドルという古典美に現在の感性を盛り込むという新古典主義の精神を見ることができる。
西洋音楽の場合でもそうだが、ロマン派や現代作品よりも古典派の演奏の方が確かな技術と感性を要求されることがある。そういう意味では、サウンドも詩も高い感性と緊張感をもって必要最小限にまとめられているこのユニットは実力のあるユニットであると言えるだろう。
サウンド自体は、テクノポップという言葉にあらわされるように、三丁目の夕日までをはじめとする昭和リヴァイヴァルテイストのもの。
ただ、そこにプロデューサーとメンバーの「今」の感性、「今」的である秋葉原的要素、フジ子・ヘミングさんなどから始まるアーティストにストーリー性を加味する「今」的方向性がミックスされ、さらにまさに「今」的要素である昭和リヴァイバルサウンドにのって届けられるというところは充分に先端であると言えるのかもしれない。

サウンド的には、他のCDを聴いた後に聴くと(その時自分が聴いていたのは、フォーレのヴァイオリン・ソナタジョン・スコフィールドのthis meets that)、最初はあっさり味に聴こえるのだが、何曲か続けて聴いていくうちに今の感性と昭和の感性がまじりあう独特の心地よい空間をただようことができる。
様式美と詩情が重なりあう「Baby cruising Love」と「マカロニ」は完成度の高い傑作だと思うし、個人的にはリズミックな楽曲「チョコレイト・ディスコ」も好きである。