ショーター@国際フォーラム。

ショーターを見に有楽町国際フォーラムに行きまちた。
もちろん正確にはウェイン・ショーターさんとハービー・ハンコックさんとロン・カーターさんとジャック・ディジョネットさんという「巨匠カルテット」のコンサートです。

というわけでまぁ4人ともすごいんですけど、自分的にはやっぱりショーターさんがお目当てです!
あのスピリチュアルな演奏を目の前で聴けるとは!
ワクワクしながら飲み屋タウンを抜けて、飲み屋タウンにそぐわないハイパーモダンな国際フォーラムへ!

実は国際フォーラムの天守閣(Aホール)の方に行くの初めてなんだよね〜。
地上広場ってとこは何回か通ったり、行ったりはしてるんだけど。
Aホールはなんと5012人収容の大きいホール。
まぁこのサイズの場所に初めて行く時は要注意ですよ。
ということで開演の30分前には有楽町駅に到着。と思いきや有楽町駅地下鉄のエスカレーターが渋滞。いきなりハードル高いなぁみたいな。でもハードル高い方が燃えるぜ!という感じで(エスカレーター乗るためだけに)2分ぐらいならぶ。でもこんなに人多いとこなんだから、普通エスカレーターの横に階段あるよなぁ。まぁいいや。
その後はまぁホールの入り口にたどり着く。ここではモギリスタッフのモギリ技術をチェック。ほうほうなるほど。のきなみ高いレベルで、将棋に例えるならば7段〜8段ぐらいと言ったところか。しかもモギリながらカウンターを押す。プロの技ですな。
その後やはりエスカレーターを何回ものぼる。
自分は2階席だったのだが、1階席だけでもエスカレーターによって2〜3の階層に分かれていた。
すごいなぁ。
扉を入れば、後はどこのホールでも同じ。すぐに席にたどり着けた。
地下鉄を降りたのが18時32分。着席したのが、18時48分。初めてにしては上々な記録だ。
席にすぐたどり着けたのも店頭ぴあで席を選んで買ったので、だいたいの場所を把握していたというのもある。自分は、チケットを買う時、いわゆる店頭ぴあで買うのが好きなのだ。
席を席表を見ながら選べるというのも最大のメリットだが、その席を選ぶ時にお店の人が「今空いていますのは、ここからここの席でございます。」とクリアファイルに入った各ホールの席表をマーカーペ
ンで囲う。「クリアファイルの上から」囲う。そして、自分が席を決めるとそのマーカーペンの囲いをキュキュと消す。あのクリアファイルの上から書かれたマーカーを消す、というのが自分はけっこう好きなのである。
なのでいつも店頭ぴあで買ってしまう。
また、日にちがいついつだとか、座席はどれだとか、書く紙がある。
これ書かなくても「何月何日のA席、お願いしやぁす。」とか言えばすぐ買えるのだが、またあのての紙を書くのが好きなのだ。
JRの特急券を買う時なんかもあれを書くのがかなり好きで、書いているだけで陶酔してしまう。

席は2階席のかなり前の方で、見やすい。たしか1階席の後ろの方と同じクラスの席だったと思うが、2階席の方が見やすいんじゃねぇかと思って、この席をとったのだが、正解なようである。
ステージまではたしかに遠いが、ここに来るまでに、あんだけ広いホールだとどんくらいステージから遠いんだべ、と色々妄想していて、その妄想の中でのイメージよりは近かったので、遠くは感じなかった。イメージは大切である。
まぁこれだけ遠ければ早弁も内職もしほうだいだなぁ、とか以前松山千春のコンサートを横アリ(横浜アリーナ)に観に行った時。「おめぇらさぁ、おんなじ値段払ってんのに、前と後ろがあんのって不公平だと思わない?1曲づつ1列後ろに行きゃあ公平なのになぁ、まったくかわいそうだぜ」と言っていたのを思い出だしたりして、感慨にふけっていた。

次は客層をチェック。これは自分の学術的研究のひとつである「音楽のハードウェア」のひとつのテーマである。
客層は、、、。まぁよくわかんない。(笑)あんまりこれといった傾向がないのが傾向か。
あんまりオタクな感じはしない。良識ある人達の集まり、と言った感じだ。大人感は強い。
ただ自分の少し前に座っていた料亭とか茶道っぽい和服の女性が(それだけでもちょっとは目立ってはいたが)、ショーターのブギュ!グキュ!なソロにコブシをあげて喜び、拍手しまくっていたのはやはり世界の巨匠の音楽層の厚さを感じて感慨深かった。
ということで開演。
4人とも巨匠風に、とてもゆったりと歩いて入ってきた。退場する時はわりとサッサと歩いてたので
演出だろうと思う。
さぁ演奏スタートだ。
ブギュ!グキュ!キュルキュルキュルキュルキュル(シーツ・オブ・サウンドです)!
おぉ!ショーター!感動で涙が出てくる。(心の中で)
やっぱりええなぁ〜。ショーターは。
途中メンバー紹介の時、ハンコックさんが少ししゃべったが(やはりベシャリ担当はハンコックという雰囲気だった)MCはほとんどなくてサクサク曲がすすむのがとてもよい。
ということで、前置きがそうとう長くなってしまったが、この日記の本題であるコンサートの感想です!(キリッ!)
○とにかく気持ちいい!心地いい!
ハンコックさんは、ラヴェルとかドビュッシーみたいな高度で複雑ゆえにとっても美しい周波数、和音、ヴォイシングを朝飯前みたいな感じでビシバシ展開。特にラヴェルが使ってる音域とかぶつかる音程とか好きなのかなぁと思えるところがありました。(ガーシュインのアルバムでラヴェルのピアノの協奏曲も入れてたり)まぁとにかくそういうラヴェル的な反響によって空間的広がりを表現しまくるわけですね。
まぁそこらへんの和音にショーターがブギュ!グキュ!と来るわけで、当然ドミナントモーションな感じはあんまりなくなるわけで、そうすると曲と曲の違いというか、境目というか、そういうのが曖昧になり、ネタも似たようなのが続くので、音楽的には飽きてきて眠くなってきちゃうんだけど、これが実はこのコンサートのミソだったりするわけですね。
ようするに音楽的な境目がなくなると、全部の曲が組曲のように、また2時間のコンサートがひとつの曲のように聴こえてくるというわけです。
音楽的には飽きてきて眠くなっちゃうんだけど、演奏が終わるとなると「あ〜待ってくれぇまだ終わらないでくれぇ」となるというなんとも不思議で甘美な桃源郷という感じなんですわ。
実際ウトウトしている時は幽体離脱して、どこか宇宙に行ってるような感じがして、そのもどってきた後は宇宙からの情報をGETしているような、そういう感じがありましたな。
ということで、宇宙旅行をありがとう!