栗とクリシェについて!(大声)

栗は苦手な方である。食べれないことはないけど。季節的は栗。栗が雨後の筍のように巷に出回る季節である。かろうじて食べれるのは、天津甘栗。でもカエターノ・ヴェローゾジョアン・ドナートに「僕は天津甘栗が大好きなんだ。君もひとつどうだい?」と言われたら食べると思うけど、自分からは買わないなぁ。栗炊き込みご飯というのもあるが、「栗のっけないでくれ。」と思う。モンブランというのもあるが。「栗の上に栗のっけないでくれ」と思う。まぁ突然好きになるかもしれない。実は、アボカドがそうだった。ある日突然啓示を受けたかのように好きになった。
それで話の本題は、栗よりクリシェである。
クリシェとは、常套句とか決まり文句とか言う意味のフランス語で、音楽用語ではコードの外側や内側のラインが半音階で下降したり、半音階でいったりきたりするもの。というと難しく聞こえるが、歌謡曲などを聴いていてグっとくるところにはよくあらわれている。まぁ音楽知識的にはコード!とかスケール!とかベース!のように暮らしに欠かせないものというよりは、暮らしに彩りをそえるもの、そういう位置の生き物である。
ここまできてやっと話は本題だ。
アコースティック系のブラジル音楽で、有名な曲というのがいろいろある。
「ブラジル(ブラジルの水彩画)」、「トリステーザ」、「カリニョーゾ」、「酔っ払いと綱渡り芸人」この4曲などは「超」有名と言っていいと思う。
実は、この4曲はいずれもクリシェというのが主役級にあらわれる。
ブラジル人はあの半音階で行って帰ってくるクリシェがそうとう好きなんだなぁ。
たまたまクリシェをふんだんに使った新曲を、作曲していてその4曲にクリシェが使われていることを思い出したのだった。