2月20日演奏曲目紹介。Ⅱ

20日のボサノヴァライヴで演奏する曲目の解説をちょっと書いてみようと思います。

この他にもボサノヴァデュオのTopazioさんの演奏があり、そちらはどんな曲を演奏するのか自分も知らないので楽しみです。

鈴木宏ニ郎くんとの曲目の解説は、17日の日記に書いてありますのでそちらもどうぞ。

すまうと

「Desafinado」言わずとしれたディサフィナです。2番は日本語訳で歌います。日本語で聴くとなかなか味わいがあってジーンときたりします。

「So tinha De Ser Com Voce」これはエリスとジョビンのCDに素敵なエレピと入ってて、好きな曲です。アストラッド・ジルベルトの速めの演奏もけっこう知られてますね。

Voce」この曲はこの前日記でも書いたおしゃれな曲。「小舟」と同じメネスカルとボスコーリのコンビですね。この2曲はテンションノート中心のメロディラインがすごくて、まさに霊感で書かれたという感じの曲です。

ルパン三世からLoveSquall」
かなりたくさんの量のリミックスや本家大野雄二さんによるジャズアコースティックアルバムのあるルパン三世。主にとりあげられるのは、いわゆる「主テーマ」と「ルパン三世愛のテーマ」、それとこの「LoveSquall」です。色んな歌手が歌っているヴァージョンがありますが自分はやはりソニア・ホーザさんが歌っているポルトガル語ヴァージョンですね。この人は大野雄二さんとかなり前から共演している人で、かなりスピーディーなイパネマを入れたアルバムなんかも出ています。このソニアさんによるポルトガル語ヴァージョン、数多くあるルパンの2時間ものの一つ「ルパン三世ファースト・コンタクト エピソードゼロ」のサントラだったりするんですが、この映画がいい!ルパンの2時間ものの中では一押しです!ルパンの2時間ものというのは、オカルトの話ベースにゴルゴ13系のアンダーグラウンドシンジケートどうしが争って、次元と五右衛門の好敵手みたいなのがその中にいて、不ニ子がひとつの映画の中で2〜3回裏切るというパターンが多いんですけど、この映画は珍しくファンタスティックでロマンティック!ルパンファミリーが初めて会った時のことを回想シーンみたいに思い出していくところから映画が始まり、そのまま続くのだが、最後にこれはほんとうの回想だったのか、それとも夢物語だったのだろうか、みたいなファンタスティックな物語である。シリーズの中で一味違う雰囲気をかもしだしているという点では、宮崎アニメの「耳をすませば」の位置に近いのだが、自分は「耳をすませば」がとても大好きだ。

「トマトケチャップ」
この曲はスーパーブラジル音楽仲間ヴォーカルすまうのオリジナル曲で、今回の目玉曲のひとつである。すまう自身は、「しょぼい」、「ぼちぼち」、「ゆるい」などのキーワードを重要視する作曲家なのだが、自分がアレンジをすすめていくうちにどんどん気合の入ったテンションの高い曲になって、当初の作曲家の意図とはちょ
っと違う感じになってしまった。どんなアレンジかというと前奏の前に、なぜか7thでリハーモナイズされた「たなばた」が演奏される。「さ〜さ〜の〜はさ〜らさら」というあれである。なぜかは自分でもわからない。その後自分のオリジナル前奏がくるが、この前奏は主題や動機を展開させて曲を構成していく西洋のバロックや古典派などの作曲法でつくられている。具体的には、前奏や後奏を構成している重要な動機、短2度と半音階からなる音型をまず単独の音型として右手に用いる。その伴奏には、この曲のサビのDm部分の伴奏型がそのままもちいられている。もちろんDベース、Fナチュラルなので、サビ中のようにCメジャーのⅡmとは聴こえず、まったくのDマイナーキーのⅠとして聴こえる。次に右手の短2度音型を色んな音程に展開させ、カノンのように組み合わせ、その後そのカノンがユニゾンの短2度の音型に集約されていき、左手にG7の構成音を加えることによってCメジャーのドミナントが確立され、サビがはじまる。と書くとややこしいですが、曲はトマトケチャップへの感謝と愛を詩的な言葉でまとめたラグタイムとお〜シャンゼリ〜ゼを感じさせるかわいらしい曲です。

「別れの予感」
ヴォーカルすまうは、テレサ・テンが好きらしく、「つぐない」などが得意曲で、是非テレサ・テンボサノヴァ風にやりたい!ということなので、テレサ・テンの有名曲「別れの予感」を、リズムはそれほどボサノヴァ風ではないけれど、編成的にはボサノヴァで演奏する。自分はこの曲を、中森明菜の「歌姫2」という有名ポップス曲カヴァーアルバムで知った。このアルバムは「桃色吐息」、「異邦人」、「秋桜」、「瑠璃色の地球」など原曲の歌手がかなり強烈な曲を千住明さんが、壮大なオーケストラにアレンジして、しかもジャケで中森明菜がスキンヘッドになっているというコアな名CDである。自分のアレンジは、間奏はバロックオーボエ協奏曲風、後奏は沖縄音階を用いて、「別れの予感」が「出会いの予感」に転ずるようにアレンジした。

「あひる」
これはジョアンの演奏でとても有名な曲。日本語もかなりポピュラーになってますね。

「パルペチ・インフェリース」ノエル・ホーザの有名曲で、ボサノヴァというよりはサンバのリズムに近いですね。

「A Batucada Dos Nossos Tantos」パゴージの有名曲ですね。みんなでもりあがって歌うような曲です。自分はわりと日々この曲を聴いています。

どうぞお楽しみに!