ポール・デズモンド1

ポール・デズモンドの「サマー・タイム」をひさびさに聴いた。はっきり言ってこれはおすすめアルバムである!1曲目いきなりボサだ。ミルトン・バナナ巨匠みたいな、Perがパシャパシャ言ってるいわゆるジャズ・ボッサってやつだ。でもポール・デズモンドのジャズ・ボッサはこれでもか!というほど洗練されている。これほど爽快で幸福感に満ちたサウンドもなかなかないだろう。ピアノはなぜかハービー・ハンコック。ピアノ・ソロでは両手ユニゾンで、なんともおしゃれなちょっとカリブ海っぽいフレーズを連発。これがすごいいい!ピアノ・ソロで両手ユニゾンというのは、コードのある音楽の場合アクセントやリフとして使われることはあるが、オン・コードで正面きってアドリブとる時には、編成にギターなど他にコードを奏でる楽器がなければできない。そういう編成の時すかさず両手ユニゾンを出すとは!伊達に有名じゃないなこの人は!Maiden VoyageやWaterMelonManでは、偉い人だなぁこの人はと思いこそすれ、好きって感じではなかったけど、このアルバムやマイルスのNefertitiでのプレイは好き!という感じだ。この1曲だけでもこのアルバム買いだ。この1曲だけでもこのアルバム買いなのに、他の曲がまた意外な選曲なのだ。「オブラディ・オブラダ」、「枯葉」、「いつか王子様が」などなど。こういう選曲ははっきり言って好きだ。さらに、「テイク5」の作曲者として有名なポール・デズモンドだが、このタイトルトラックの「サマー・タイム」も5拍子だ。とにかく聴くといつでも爽やかな気分になるお得感のあるアルバムである。

初代ピアノ屋岡野勇仁 http://www.11piano.com