リオの若大将。

前から見ようと思っていた加山雄三さんの若大将シリーズの「リオの若大将」を見た。若大将シリーズ自体見るのは初めてだと思う。
色々な見方もあると思うが、自分的には相当面白くない部類に入る映画だった。
この映画をWikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E5%A4%A7%E5%B0%86%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BAで検索すると「高度成長期の大学生の恋とスポーツを描いた映画である」と書いてあるが、まさにそのとおりで、その時代でしか成り立たない文化で満ちあふれている。その時代でしか成り立たない文化でもNHKの大河ドラマみたいに200〜300年前だといいのかもしれないが、40〜50年前だとちょっと違和感があるということだろうか。
映画というのはそもそも、にんじんと牛乳をスーパーに買いにいってその帰りにクリーニング屋にいかなきゃいけないってぇのに、ストーリーが面白くてなかなか停止ボタンを押すことができやしねぇ!というのが本来の姿だと思うのだが、この映画は、「あー、もーめんどくせーから見なくていーやー」と15分ぐらいで冷蔵庫に立つか、やかんでお湯を沸かし始めてしまう映画なのである。
この映画にかぎっていえば、映画の半分ぐらいは、日本での場面なので、舞台がリオである必要性はなく、小豆島とかでも十分ストーリーは成り立ちそうだ。

さらにWikipediaを引用すると、「加山の実年齢が30歳を越えるとさすがに大学生には無理があるようになった。そのため、『リオの若大将』で若大将を卒業させてシリーズを終わらせることにした。しかし、これだけのヒット作を終わらせるのはもったいないということで、東宝が得意とするサラリーマン喜劇へとシフトさせることになった。」
この中の「東宝が得意とするサラリーマン喜劇へとシフトさせることになった。」というところは興味深い。
東宝のサラリーマン喜劇とは、植木等さんの「無責任シリーズ」や森繁久弥さんの「駅前シリーズ」「社長シリーズ」などのことである。
この同じく東宝の「駅前シリーズ」にはこのリオの若大将と同じような、見るのがめんどくさい感を感じたものである。
しかし、植木等さんの無責任シリーズは、言うまでもなく自分の中ではベストムービーのひとつに入る映画である。
同じ東宝映画なのだが、植木等さんには宇宙的普遍性があるので別格的に面白いということだと思う。
とはいえ、この作品も若大将シリーズとしては後期に入る。
寅さんも、後期のウィーンものなどはかなり面白くなかったので、そういう意味では、若大将の真髄とも言える初期、中期作品も見てみる必要があるのかなぁとは思う。